美容クリニックで看護師をしているチャム子です。
前回は美容クリニック勤務歴4年目のアラサー看護師がやってよかった美容治療①でボトックスについて紹介しました。
今日はリフトアップ治療について説明します。
(外科手術のフェイスリフトもありますが、今回は“切らないフェイスリフト“についてのみの説明となります)
たるみの原因
年齢とともに顔のたるみが気になってくる方は多いと思います。
チャム子も29歳から顔のたるみが気になるようになりました。顔がたるむと老けて見えたり、輪郭が四角くなり顔が大きく見えてしまい鏡を見るたびに悲しくなりました。
顔がたるむ原因は大きく分けて
- 肌の弾力低下
皮膚の真皮層にはコラーゲンやエラスチンなど肌の弾力を支える組織がありますが、加齢や生活習慣によってこれらの組織が衰えたり減少したりすることで肌の弾力性がなくなりたるみが出ます。 - 皮下脂肪の下垂
加齢によって皮下脂肪がつきやすくなったり、肌の土台が脂肪を支えきれなくなると重力に負けて脂肪が垂れ下がってたるみが出ます。 - SMAS(スマス)筋膜のゆるみ
SMAS筋膜は肌の土台となり皮膚と脂肪を支えていますが、そのSMAS筋膜がゆるむことでたるみが出ます。
他にも加齢によって筋肉や脂肪、骨が痩せてくると皮膚があまってたるみが出ます。
フェイスリフトの手術では組織を引き上げた後にあまってしまった皮膚を切り取りますが、手術を受けた方の年齢が上がるほど切り取る皮膚が多くなります。
つまり加齢によってたるみは必ず起きるということです。
(歳を重ねても全くたるみが出ない方も稀にいますが、それはその方の肌のポテンシャルが高い可能性があります)
切らないたるみ治療
チャム子がやったことがある治療は
- サーマクール
- ウルセラ
- ウルトラセル
- 糸リフト
リフトアップ治療はたくさんの種類があり、使用する機械もクリニックによっって様々です。
大きくカテゴリー分けすると
- 高周波(RF)
- HIFU
- 糸リフト
この3つになります。
高周波とは
高周波エネルギーを皮膚の真皮層に照射し、コラーゲンの熱変性により内側から肌を引き締めます。お肉を焼いたときに小さくなるのをイメージしてください。
また線維芽細胞と言ってコラーゲンを作る細胞を刺激することで肌に弾力を取り戻します。
HIFUとは
皮下脂肪とSMAS筋膜に超音波エネルギーを一点集中照射し、熱を加えて引き締めることでリフトアップの効果があります。また高周波と同じようにコラーゲンを活性化し肌の弾力アップ効果もあります。
高周波とHIFUの違い
どちらも皮下組織に熱を加える治療なので効果も似たり寄ったりですが、熱の入れ方と深さに違いがあり
- 高周波
熱を3方向から加えることで引き締める
→全体的に小顔になりたい方向け - HIFU
熱を一点に集中させ高密度に加えることで引き上げる
→フェイスラインをスッキリさせたい方、ほうれい線を改善したい方向け
高周波とHIFUを一緒にすることでよりリフトアップ効果が期待できます。
どのクリニックでカウンセリングを受けても同時に治療することを勧められると思います。クリニックによっては同時治療プランを設定しているところもあります。
しっかり効果を出したい・予算に余裕がある方は同時に治療されることをオススメします。
ただし料金が高額になってしまうので、目的や予算に合わせてどちらか選んでもOKです。
高周波とHIFUのメリットとデメリット
メリット
- 痛みが少ない
最新機種になるほど痛みが少なく作られています。
皮下脂肪が少ない部分や神経が近い部分は痛みを感じやすいですが、パワーを調節できるのでその方に合った痛みの少ない治療ができます。 - ダウンタイムがない
人によっては赤みや腫れが出る方がいますが早いと数時間、長くても2〜3日で戻ります。治療後の予定を気にすることはありません。 - 直後からメイクができる
肌に傷がつかないので直後からメイクできます。
治療後に人に会ったりお買い物もできます。 - 治療効果が続く
効果のピークは1〜3ヶ月後に現れ、その効果は約半年〜1年続くと言われています。
半年〜1年に1回定期的に治療される方が多いです。 - 将来のたるみ予防になる
若い方だと20代前半から治療されています。
小顔効果はありますが正直たるみが気にならない年齢で受けても効果がわかりづらいです。しかし定期的に治療されると将来のたるみ予防になります。まさに自分への先行投資ですね。
デメリット
- やけどのリスク
どちらも熱をしっかり入れることで効果を発揮しますが、その分やけどのリスクがあります。
しかし皮膚表面をしっかり冷やしたりジェルを塗って皮膚と機械をしっかり密着させることでやけどを起こさないように治療しますので滅多に起こることはありません。 - 痛み
メリットに痛みが少ないと書きましたが、機械によっては痛みが強いものもあります。
痛みに弱かったり不安な方は最新機種で治療されることを勧めます。 - 料金が高い
リフトアップの治療は他のレーザー治療に比べて料金が高いです。なのでショット数に応じて細かく料金設定しているクリニックもありますが、しっかり効果を出すためにもあまり少ないショット数で治療されない方がいいと思います。
「韓国の方が安いので、年に1回韓国まで行って治療しています」という方もいました。
先ほど高周波とHIFUの違いのとことでも書きましたが、予算に合わせてどちらか片方だけ治療したり、クリニックの料金を比較するといいと思います。
エステサロンのHIFUにご注意
エステサロンでHIFUを受けられるので、患者様から「エステと美容クリニックのHIFUの違いはなんですか?」と聞かれる事があります。
某クーポンサイトでも「エステサロン HIFU」と検察すると たくさんのエステサロンが出てきます。実際にチャム子の住んでいるエリアで検索したら500件以上ヒットしました。
違いはただ一つ、HIFUは医療機器です。
クリニックで施術者は細心の注意を払って治療しています。そのためには機械の特徴や皮膚の構造などをしっかり理解していること、高度な技術が行えることが必要になります。
ここまで安全を守りながら施術していてもやけど等のリスクはありますが、クリニックの場合はトラブル時に医師の診察や治療が行えますので安心です。
またエステサロンでのHIFUは禁止されています。
一般社団法人日本エステティック協会(AJESTHE/久米健市理事長)は、2021年7月1日(木)、会員に向け、医療以外でのHIFU(高密度焦点式超音波)機器使用・取り扱いの禁止を呼びかけた。HIFU機器は、人体の表面を傷つけずに体内の特定部位を熱変性させる医療機器で、前立腺の治療等に用いられる。2017年3月、国民生活センターでは、消費者からHIFU機器によるトラブルについて相談が寄せられたことを受け、エステティックサロン等でのHIFU機器使用は医師法に抵触する恐れがあると注意喚起していたが、昨今、相談件数が上昇してきたことから、AJESTHEでは改めて使用禁止を呼びかけるかたちとなった。
ザ・ビューレック:AJESTHEが医療以外でのHIFU(ハイフ)使用禁止を呼びかけるより引用
今はセルフエステでHIFUができちゃうそうです。
HIFU以外でも安くて安全が確保されていない治療は他にもありますので、美容クリニックでの治療を選択していただきたいです。
これは患者様側の問題でもありますが、私たち医療者側も患者様が傷つくことないよう正しい情報を発信していかなければならないと思っています。
糸リフトとは
突起がついた糸を引き上げたい部分の皮膚の中に挿入することで、突起が組織にひっかかることによるリフトアップ効果と、刺激によるコラーゲンの生成により肌の弾力アップの効果があり、気になるたるみを改善します。
切らないリフトアップ治療の中でもなかなかハードルが高いとされていますが、効果がわかりやすく患者様の満足度も高い治療です。
「顔の中に糸を入れるなんて怖い」と治療を避けていた方でも1度治療を受けると「意外と大丈夫だった」とリピートする場合がほとんどです。
チャム子ははっきりとした効果がわかる治療が好きなので、糸リフトを1年に1回受けています。直後からフェイスラインがスッキリして小顔になるので気に入っています。
糸リフトのメリットとデメリット
メリット
- 体内に吸収される
時間が経つと体内に吸収される素材が使われていて、糸の種類にもよりますが1〜2年で吸収されますので、異物を体内に入れることに抵抗がある方や、将来皮膚が薄くなって浮き出てこないか心配な方におすすめです。 - 部分的なリフトアップが可能
ほうれ線やフェイスラインのもたつきなど部分的に引き上げることができます。
糸1本から料金を設定しているクリニックがほとんどなので、改善したい部分によっては高周波やHIFUよりも安くたるみ治療ができるかもしれません。 - 気軽に治療が受けられる
局所麻酔で治療ができるので、初診の方でもカウンセリング当日に治療ができます。
痛みが不安な方はオプションで笑気麻酔で治療することもできます。 - 周りにバレにくい
髪の毛の生え際から小さな穴を開けて糸を入れるので、髪の毛を下ろせば傷も隠れて周りにバレにくくなります。
また無理矢理引き上げた感じがなくナチュラルな仕上がりなので余計にバレにくいです。 - 将来のたるみ予防になる
高周波・HIFUのメリットでも書いてありますが、早いと20代後半で糸リフトの治療をされている方がいます。おそらく小顔効果目的でされている方が多いと思いますが、将来のたるみ予防にもいいと思います。
チャム子が初めて糸リフトをしたのが30歳の時で、特にたるみを気にしてはいませんでしたが小顔効果はもちろん、たるみ予防的な意味で治療を受けました。
デメリット
- 効果が永久的ではない
いずれ糸は体内に吸収されてしまいますので、徐々にリフトアップ効果が減少します。
なので定期的に治療する必要があります。 - しばらく顔が動かしづらい
食事や笑った時に顔が動くと痛みが出るので、ご飯を食べる時はおちょぼ口になり、笑う時は微笑むことしかできないので所作がとてもお上品になります(笑) - 痛み・恐怖
シンプルに局所麻酔が痛いです。また糸の挿入時にブチブチと組織を突き抜けていく感じや、先生が力を込めて入れていく感じが伝わるので、初めての方は恐怖を感じると思います。
痛みに強いチャム子でも初めての時は額に脂汗が浮かびました。
痛みが不安な方は笑気麻酔を選びましょう。 - リフトアップに限界がある
伸びてきって余った皮の行き場はありませんので、糸で皮下組織をリフトアップするとギャザーができる可能性があります。1週間ほどで次第に馴染みますが、それだけすでに緩んでいる証拠でもあります。
糸リフト直後の引き上がり感を維持したい、皮のギャザーをなくしたい方は外科手術のフェイスリフトを検討した方がいいかもしれません。
チャム子は上記の理由で50代か60代になったらフェイスリフトが受けられるように今から貯金しようと思います。
糸リフトのダウンタイム
少なくとも組織に負担がかかるので他の治療に比べてダウンタイムがあります。
- 腫れ
麻酔や術後の炎症によって腫れますが1〜2週間程度で落ち着きます。 - 内出血
局所麻酔をした部分や糸を通した部分に内出血が出る場合がありますが、1週間程度で治ります。 - 顔のつっぱり感、痛み
糸の突起が組織に引っかかっていることで、口を開けたり笑ったりすると皮膚がつっぱり痛みが出ます。1週間程度で馴染んできます。 - 針あと
糸を挿入する部分にニキビ跡のような赤みが出ますが、1〜2週間程度で治ります。その後は色素沈着しないようにUVケアが必要です。
まとめ
3種類のたるみ治療について解説しました。
たるみが気になる方はもちろん、将来のたるみ予防としてもおすすめの治療です。
クリニックにより扱っている機械も様々ですので、まずはカウンセリングを受けて自分にはどんな治療が合っているのかを医師、看護師に診てもらうことが大切です。
何度も言いますがエステサロンでの医療機器の取扱いは禁止されています。
またエステサロンで取り扱っている機械は医療機器ではなく、あくまでエステ機器ですので効果の違いについては説明しなくてもおわかりですよね。
決してエステサロンを否定しているわけではありませんし、チャム子もエステは特別な空間で癒されるし大好きです。ただクリニックでの治療とエステサロンでの施術は別物ですのでご注意ください。
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